ひとりごと
歯科衛生士 I
「Iさん 仕事辞めちゃだめだ」
そう言ってくださった院長の言葉があった事と、仲間のスタッフが寄り添い励ましてくれたこと
そして何よりも、患者様みなさまがいて下さったおかげで、私が大好きな仕事を辞めないで、ここまで続けてこられたのだと思う
そう、息子が中学1年で不登校が始まった瞬間から一寸先の光さえも見えず、長く暗いトンネルに入ったかのような感覚に陥っていた時代
当時は夜中に家出をし、壁に穴をあけ、母の作った食事は食べずに絶賛反抗期真っただ中、学校でも色々あったのだろう・・・
声をかければ荒れ、何を伝えるにも伝わらず、どうしてよいのか途方に暮れる日々
仕事を終えて家に帰るとき、いつもマンションの明かりがついているかどうかが気になり、夫とスーパーで待ち合わせをして
二人でゆるやかな坂道をトボトボと歩いて上がっていくのが日課だった
そんな中、暗がりの坂道を歩くとき夫がぽつりと言った言葉
「息子と同じぐらいの年代の子が制服を着て家路に帰る姿を見ると、ぎゅっと胸が締め付けられるんだ」と・・・
ああ、私だけでなく夫も同じ道を歩いている。とにかく前を向いてひたすら信じよう大丈夫だ。
あれから6年ぐらいになるのだろうか、今年ようやく大学受験に合格し春から大学生になることが決まった
振り返れば、I家の思い出作りだったような気もする不登校と反抗期
これがなければ、私は人間としての成長も思いやりも、やさしさも今よりも薄っぺらいものだったかもしれない
センター試験の受験票に前日になっても写真が貼っておらず、ハラハラしていた私
受験は明日なのに写真も撮りに行っておらず、大丈夫か・・
本人はといえば、どこ吹く風 それが何か問題でも?という顔をしている
風呂に入れば鼻歌を歌って、こちらの心配なんぞなんのそのセンター試験の前日の夜中の事である・・
風呂から出て、ようやく自販機の写真を撮りに行く息子しばらくしてから聞いてみた
「お母さんだったら、なにかあってはいけないから、せめて2週間前とかには写真撮りに行って受験票に貼ってると思うんだけど、心配にならないの?」
「ぜんぜん・・。」
えっっっ
「2週間前にやっても、今日やっても結果は変わらない。勉強とか結果が変わるものは前からやるけど、結果変わらないものはいつでもいいじゃん」と・・
「えっ、でもずっとやっていない期間、ドキドキしないの?心配にならない?」
「心配にならない、だってその期間は忘れてるから」と・・
「えっ、なんで忘れられるの?」
「うーーーん。才能かな?」 笑笑
ほほぉ~~。ここまで自己肯定出来るようになったのなら大丈夫だ
君は今年、仲間の群れに戻り、そして仲間と共に大海原へと出ていく
がんばれ!
ここまで悩みを聞いてくださった院長 チーフ そして仲間のみんな
そして大好きな仕事をさせて頂けた、患者様みなさまにこころから感謝申し上げます