歯の被せ物が取れた場合の対処法と
放置するリスクについて

強い圧力が加わった

転んで顔面を強打するなど、歯に強い圧力が加わると被せ物が取れることがあります。これは被せ物が取れる最もわかりやすい原因といえます。

歯の削り方が悪かった

虫歯治療の技術というのは、歯医者さんによって大きく異なります。経験や知識の浅い歯医者さんが削った場合、適切な形態を作り上げることができず、外れやすい被せ物を装着することになります。ですから、被せ物治療を任せるのであれば、経験豊富な歯医者さんにお願いした方が良いといえます。

被せ物の中で虫歯が再発した

被せ物が取れる原因として意外に多いのが虫歯の再発です。虫歯が取り切れていなかったり、口腔ケア状態が悪かったりすると、被せ物の中で虫歯が再発して、歯質の形が変化します。その結果、被せ物の適合性が悪くなって歯から脱落するのです。

被せ物のセメント・接着剤の劣化

被せ物が経年的に劣化することでも歯との適合性は悪くなります。とくに保険診療のレジン歯や銀歯は、使っていく中でどんどん劣化していくため注意が必要です。

主治医に連絡する

被せ物が取れたら、何よりもまず主治医に連絡して、これからの対応を相談することが大切です。その際、どのような状況で被せ物が取れたのかを細かく伝えるようにしましょう。情報の精度が高いほど、主治医も対応しやすくなります。基本的には、最も早い日程で予約を取り、取れた被せ物の処置を受けることになります。

被せ物は保管する

取れた被せ物は、捨てずに保管するようにしてください。被せ物や歯の状態が良ければ、そのまま元に戻せることもあるからです。被せ物を作り直すとなると、また歯を削って型取りを行うところから始めなければなりません。費用もそれだけ多くかかるので、元に戻せるのならそれに越したことはありませんよね。

お口の中を清潔にする

被せ物が外れた部位は、ほとんどのケースで「穴」があいていますよね。虫歯および治療であいた穴は、ケガをした「傷口」とほぼ同じです。不潔にしていると細菌感染を起こしてしまいますので、お口の中は清潔に保つようにしてください。だからといって患部を硬い歯ブラシでゴシゴシと磨くようなことをしてはいけません。被せ物を装着していた部分は、歯質が壊れやすくなっている場合も多く、普段以上に優しくブラッシングすることが大切です。

患部で噛まない

上述したように、被せ物が取れたところは歯質が脆くなっていますので、その部位で噛まないようにしましょう。治療を受けて被せ物をつけ直すまでは、反対の歯だけで噛んだ方が良いといえます。

歯が割れる

虫歯治療で歯を削った後の状態を見たことがある人ならわかるかと思いますが、被せ物がない状態は歯質がとても脆弱ですよね。歯質がかなり薄くなっている部分もあるため、放置していると何かの拍子に割れることがあります。そもそもそしゃく機能を担う「歯冠（しかん）」の部分が欠如しているわけですから、正常に噛むことができなくなっています。その状態で無理に噛もうとすると、歯根まで割れる恐れがあります。

虫歯の進行が早い

被せ物の下の歯質は、象牙質がむき出しとなっているケースがほとんどです。象牙質は、エナメル質よりもやわらかく、虫歯の進行が早いです。虫歯の再発リスクも高くなっているため、放置することはおすすめできません。

かみ合わせが悪くなる

私たちの歯は、歯列全体でかみ合うように出来ています。そのうちのひとつでも欠けると、かみ合わせに乱れが生じて、特定の歯だけ強く当たるようになってしまいます。

汚れがたまりやすい

被せ物が取れた部分は、デコボコとしていて汚れがたまりやすいです。その結果、虫歯や歯周病のリスクが上昇します。