歯茎が下がる「歯肉退縮」とは?
原因や対策、治療法を解説

「昔に比べて歯が長く見える」「虫歯はないのに何となく歯がしみる」などの症状が気になりだしたら、それは歯茎が下がる「歯肉退縮」のサインかもしれません。
今回は歯茎が下がる原因や歯肉退縮を防ぐ対策、実際に歯茎が下がった場合の治療法などをご紹介していきましょう。
目次
歯茎が下がる4つの原因
歯茎が下がる「歯肉退縮」の原因には、以下の4つが考えられます。
歯周病

過度な力によるブラッシング
歯茎は非常にデリケートなため、ブラッシングの際に過剰な力が加わるとその刺激によって歯茎が下がってしまうことがあります。虫歯や口臭が気になるという理由で1日に何度も歯を磨く行為も同様に、歯茎が下がる原因になるため注意が必要です。
歯ぎしり・食いしばり
日常的に歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯や周囲の組織に過度な力が加わることで歯茎が下がりやすい傾向があります。
加齢
歯茎の主成分であるコラーゲンは、加齢とともに減少していきます。そのため、年を重ねるにつれ歯茎が下がりやすくなります。
歯茎が下がらないようにするには?
歯茎が下がるのを防ぐために、以下の4つのことを心がけましょう。
歯周病を予防する
歯茎を下げる最も大きな原因は歯周病です。歯周病はプラーク中に生息する細菌が引き起こす病気なので、まずは毎日のセルフケアでプラークをしっかり落として歯周病を予防していきましょう。歯周病予防のケアでは、歯ブラシによるブラッシングにくわえ、デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯間ケアも効果的です。1日1回、就寝前を目安に歯間の汚れもしっかり落としていきましょう。
正しいブラッシング法を身につける

虫歯や歯周病が気になるからといって過剰に歯を磨いてしまうと、かえって歯肉退縮を助長させてしまいます。歯磨きの頻度は1日3回を目安に、適度な力で1本ずつ丁寧に磨くことを心がけましょう。
正しい磨き方のポイントは「ふつう」または「やわらかめ」の歯ブラシを選び、毛先が広がらない程度の軽い力で磨くことです。毛先を歯面に当てたら5~10㎜の幅を目安に歯ブラシを小刻みに動かしながら汚れを落としていきます。磨き方に自信がない方は、歯医者さんで自分に合ったブラッシング法をアドバイスしてもらいましょう。
歯ぎしり防止用のマウスピースを装着する
歯ぎしりや食いしばりのある方は、歯医者さんで歯ぎしり防止のマウスピース(ナイトガード)を作製できます。それを夜間または日中に装着し、歯ぎしりによる歯茎へのダメージを軽減していきましょう。
歯科の定期検診を受ける
初期の歯肉退縮は自覚症状に乏しく、ご自身で気づかないケースも少なくありません。歯茎が下がるのを防ぐうえでは、歯科の定期検診でその予兆を見つけて早期に対策することも大切です。
歯茎が下がってしまったらどうする?
歯茎が下がってしまった場合の治療法には、「歯茎の移植」と「歯周組織の再生」の大きく2つの方法があります。以下にそれぞれの治療法について、詳しく解説していきましょう。
歯茎の移植
歯茎が下がった部分に、周囲の歯茎や他の部位から採取した歯茎を移植して歯茎の形態を回復していきます。歯茎の移植法には次の2つの方法があります。
○結合組織移植術
健康な歯茎の一部を切り取り、それを歯茎が下がった部分に移植します。自身の健康な歯茎を使用するため、自然な歯茎の再生が期待できます。
○歯肉弁移動術
歯茎が下がった部分に近い歯茎を移動させて、露出した歯面を覆います。周囲の歯茎を引っ張って移動させるため、他の部位から歯茎を切り取る必要がありません。
歯周組織の再生
歯周組織の再生は、歯周病によって歯茎や骨などの組織が破壊され、歯茎が下がってしまったケースに対して行われます。具体的な方法に、次の3つの治療法があります。
○歯周組織誘導法(GTR法)
歯周病によって歯茎や骨が失われた部分を特殊な膜で覆い、新たな骨や歯茎の再生をうながします。
○歯周組織再生療法(エムドゲイン法)
歯周病によって骨が溶けた部分に「エムドゲイン」という再生材料を塗布し、新しい骨や歯茎を再生していきます。
○骨移植
歯周病によって骨が失われた部分に、患者様自身から取り出した骨や人工骨、骨補填剤を移植して新たな骨の再生をうながします。裏打ちとなる骨が再生することで、周囲の歯茎の再生も期待できます。
まとめ
歯茎が下がる原因には加齢など避けて通れないものもありますが、歯周病や過度なブラッシングによる歯肉退縮は日頃のケアを見直すことで予防することができます。そのためには、ご自身のお口に潜む歯肉退縮の原因やリスクを知っておくことが肝心です。歯茎が下がってきた・痩せてきたと感じたら、歯科医院で詳しい検査を受けましょう。
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