インプラント治療の骨造成とは?
種類・費用・期間について解説
「インプラント治療をしたいけど、骨が足りないと言われた」
「骨造成って、どんな手術?」
「費用や期間はどれくらいかかるの?」
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込む必要があります。そのため、最低10mmの骨の厚みが必要です。
しかし、歯周病や外傷、加齢などが原因で骨が痩せてしまっている場合があります。
そのようなときに行われるのが、骨造成手術です。
骨造成手術とは、人工的に骨を増やす手術のこと。本記事では、インプラント治療における骨造成の種類、費用、期間などについて解説します。
目次
上の顎の奥歯の骨が不足している時
上の奥歯は骨が薄く、さらに「上顎洞」という空洞があるため、インプラントを埋め込むのが難しい場合があります。このような場合に骨を増やす手術が必要になります。代表的な手術方法として、「ソケットリフト」と「サイナスリフト」があります。
ソケットリフト
ソケットリフトとは、上顎の奥歯の骨の厚みが足りない場合にインプラントを埋め込むスペースを作るための手術です。
以下のような方がソケットリフトに適しています。
- 上顎洞までの骨の厚みが5mm以上ある
- 骨が足りない部分が局所的である
歯ぐきを切開し、骨に小さな穴を開け、そこから特殊な器具を使って上顎洞の粘膜を押し上げます。そして、できた空間に骨補填材を詰めて骨の厚みを増やします。
ソケットリフトの特徴は、歯ぐきを切開する範囲が非常に小さいため、出血も少なく、体への負担を抑えられます。また、手術時間も短く、入院の必要もありません。
インプラントを埋め込む手術と同時に行うことができます。ソケットリフトの費用相場は、骨の造成量や手術の難易度によって変動しますが、3~15万円程度(1箇所)です。
サイナスリフト
サイナスリフトも、ソケットリフトと同じように上顎の奥歯にインプラントを埋め込む際、骨の厚みが足りない場合に行う手術です。上顎洞(鼻の奥にある空洞)の底に骨補填材を移植することで、インプラントをしっかり支えられるだけの骨の厚みを確保します。
ソケットリフトと同様に上顎の骨を増やすための手術ですが、サイナスリフトはソケットリフトよりも大掛かりな手術となります。
サイナスリフトが必要なケースは以下の通りです。
- 上顎洞までの骨の厚みが5mm以下
- 広範囲にわたって骨が不足している
- 多数の歯が欠損している
歯ぐきを切開し、上顎洞の粘膜を慎重に持ち上げて、その空間に骨補填材を詰めます。骨補填材には、患者様自身の骨や、牛の骨由来のものなどが用いられます。多くの骨を増やすことができるため、複数本のインプラントを埋め込むことが可能です。
サイナスリフトは保険適用外のため、全額自己負担となります。費用は歯科医院によって異なりますが、一般的に15~30万円程度です。
その他の骨造成
ソケットリフトやサイナスリフト以外にも、様々な骨造成法があります。ここでは、代表的な方法として「GBR法」と「ボーングラフト」について解説します。
GBR法
GBR法(GuidedBoneRegeneration:骨誘導再生法)は、顎の骨が足りない部分に患者様自身の骨や人工骨などの骨補填材を入れ、特殊な膜(メンブレン)で覆い、骨の再生を促す治療法です。
メンブレンは、骨補填材が周囲の組織に流れ出ないようにする役割と、骨の再生を妨げる組織の侵入を防ぐ役割を担っています。
メンブレンには、体内に吸収される吸収性と吸収されない非吸収性のものがあり、非吸収性のメンブレンを使用した場合は、後日手術を行い、メンブレンを取り除く必要があります。
GBR法は、骨を大きく削ったり穴を開けたりする必要がないため、体への負担が比較的少ない治療法です。また、状況によってはGBR法と同時にインプラントを埋め込むことも可能です。
GBR法の治療期間は、4~6か月程度、費用相場は、骨補填材やメンブレンの種類、手術の難易度によって変動しますが3~10万円程度(1箇所)です。
ボーングラフト
ボーングラフトとは、「骨移植」とも呼ばれ、文字通り骨を移植して、顎の骨の厚みを増やす治療法です。
ボーングラフトには「ベニアグラフト」や「オンレーグラフト」といった方法があります。
移植する骨は、患者様自身の顎の骨から採取することが多いですが、人工骨を使用する場合もあります。自分の骨を使う場合は拒絶反応のリスクが低く、骨の再生能力も高いというメリットがあります。
ボーングラフトの治療期間は4~6か月程度、費用相場は移植する骨の種類や量、手術の難易度によって変動しますが5~30万円程度です。
骨造成のQ&A
ここでは、骨造成でよくある質問について紹介します。
自分の骨を使うのと、人工骨を使うのとではどちらが良いのですか?
自分の骨を使う場合は、拒絶反応のリスクが低く、骨の再生能力も高いというメリットがあります。一方、人工骨は、採取のための追加手術が不要で、体への負担が少ないというメリットがあります。
どちらが良いかは患者様の状態や治療法によって異なりますので、歯科医師とよく相談することが大切です。
骨造成後に気を付けることはありますか?
手術後しばらくは、激しい運動や飲酒、喫煙などを控え、指示された通りに口腔ケアを行う必要があります。特にサイナスリフト後は、上顎洞に影響を与える可能性があるため、鼻を強くかむことは避けましょう。
骨造成にリスクや合併症はありますか?
どの治療法にもリスクや合併症はあります。骨造成では、感染・出血・神経の損傷・骨の再生不良、上顎洞炎(サイナスリフトの場合)などが起こる可能性があります。
まとめ
インプラント治療における骨造成とは、骨の厚みが足りない場合に人工的に骨を増やす手術です。
ソケットリフト、サイナスリフト、GBR法、ボーングラフトなど、さまざまな種類があり、それぞれに特徴や費用、期間が異なります。
どの方法が適しているかは患者様の状態によって異なりますので、歯科医師とよく相談して決めることが大切です。
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