歯が抜けたまま放置するとどうなる？
治療方法は？

リスク1：かみ合っていた歯が伸びてくる

私たちの歯は、上下でかみ合うことでそのバランスを保っています。そのため歯の欠損部では、もともとかみ合っていた歯がパートナーを失うため、隙間に向かって伸びていきます。これを専門的には対合歯の挺出（ていしゅつ）といいます。一度、伸びた歯は元の位置に戻すことが難しいため、時間が経過すると入れ歯治療やインプラント治療の難易度が高くなる点に注意が必要です。

リスク2：隣の歯が倒れてくる

歯が抜けたまま放置していると、対合歯の挺出とほぼ同じメカニズムで、欠損部の両隣の歯が隙間に向かって倒れ込んできます。厳密には、支えとなっていた歯がなくなることで、隣接歯が傾斜していくのです。

リスク3：かみ合わせのバランスが崩れる

対合歯の挺出や隣接歯の傾斜が起こると、全体のかみ合わせのバランスが崩れます。その結果、歯列矯正が必要となり、総額数十万円の費用が発生することもあるため、抜けた歯はできるだけ早期に治療した方が良いと言えるでしょう。

リスク1：歯が抜けた部分が目立つ

私たちの歯は、少しの欠けや黒ずみがあるだけでも、審美面に大きな障害が現れます。それが歯丸ごと1本となると、見た目にどれだけの悪影響が及ぶかは、想像に難くないことでしょう。

リスク2：顎の骨が痩せて顔の輪郭が変わる

歯が抜けた部位は、噛んだ時の力が骨に伝わらないため、だんだんと退化していきます。顎骨の吸収は、歯ぐきを下げて口元の見た目を悪くするだけでなく、ひいては顔の輪郭にまで悪影響を及ぼしかねません。

リスク1：発音や滑舌が悪くなる

歯列内に歯がない部分があると、息漏れなどによって発音や滑舌が悪くなります。上手にしゃべれないことはコミュニケーションを取る際の障害となるため、生活面に大きな悪影響をもたらすと言えるでしょう。

リスク2：胃腸の調子が悪くなる

歯が抜けたことで咀嚼障害が起こると、食べものをしっかり噛まずに飲み込むことになります。そのしわ寄せは食べ物を消化する胃腸へと及び、慢性的な腹痛や下痢、栄養の吸収障害に悩まされる可能性もあるのです。

リスク3：脳への刺激が減る

近年の研究では、残っている歯の本数が少ない人ほど、認知症になりやすいことがわかっています。上下の歯が正常に噛むことで脳に適度な刺激が伝わり、血流を良くすることが認知症予防へとつながるのでしょう。

ブリッジ

失った歯の両隣の歯を支えとして、複数の人工歯が連結した装置を被せる治療法です。

ブリッジのメリット

ブリッジは、保険が適用される、固定式の装置なので安定性が高い、見た目が比較的自然、天然歯に近い力で食べ物を噛めるといったメリットを伴います。

ブリッジのデメリット

ブリッジによる治療では、支えとなる歯を大きく削らなければなりません。また、治療後も噛んだ時の力は支えとなる歯が負担しなければならないことから、支台歯の寿命が縮まりやすいというデメリットがあります。さらに、ブリッジの適応範囲は比較的狭く、基本的には1～3本までの欠損が治療対象となる点に注意が必要です。

入れ歯

人工歯と義歯床（プレート）、金属製の留め具（クラスプ）からなる着脱式の装置です。

入れ歯のメリット

入れ歯は、保険が適用される、残った歯を削る必要がない、壊れた時の修理がしやすいなどのメリットを伴います。

入れ歯のデメリット

入れ歯は、見た目が不自然、噛みにくい、食事や会話の時にズレたり外れたりする、装置の寿命が短いなどのデメリットを伴います。

インプラント

欠損部の顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上にセラミック製の人工歯を被せる治療法です。

インプラントのメリット

インプラントは、失った歯を歯根から回復できる唯一の治療法です。見た目や噛み心地は天然歯に酷似しており、顎の骨が痩せにくい、装置の寿命が長い、他の歯を削る必要がない、違和感・異物感がないなどのメリットを伴います。

インプラントのデメリット

インプラントは、外科手術が必要、保険が適用されない、治療期間が長いなどのデメリットを伴います。